2015年10月13日火曜日

先日盗まれたもの

先日、10日ほど家を空けている間に自転車を盗まれた。

数年前に神楽坂を散歩中、偶然見つけて買った、折りたたみ式だ。確か7000円だったと記憶している。ボディはシボレー社製で、それ以外は多分ジャンク品を寄せ集めて修理したものだと思う。変速ギアがあり、値段の割に乗りやすい自転車だった。

3ヶ月前に近所の友人が乗っている時、サドルの支柱が折れた。友人は痛い思いをしたという。それ以来、新たなサドルを買おうと思いつつ、うちのマンションの駐輪場に停めっぱなしにしていた。

常用する自転車は他にあるので、生活に困ることはないのだけど、嫌な気分が残る。外出する時は盗まれた自転車が放置されていないか、を探している。

そういえば、今年の梅雨に職場近くのコンビニの傘立てから傘を盗まれたこともあった。しっかりした傘で、柄の部分が革製で、傘にしては少し値が張った。ビニル傘ならいざ知らず、あの傘を間違えて持っていくことはないと思うので、誰かの悪意に違いない。ちょっと拝借しようくらいの軽い気持ちなのかもしれないけれど。

その時も僕はそのコンビニへ毎日傘立てを見に行っていた。誰か自分の傘と間違えて持って行ってしまい、返しに来るんではないかという淡い期待だった。

もちろん傘は見つかっていない。自転車は分解されてパーツごとに売られたり使われたりしていると思うから出てこないだろう。僕は盗った人間に対しての怒りの気持ちは当然ある。しかし、それ以上になぜ人のものを盗むのか理由や動機とその人の倫理意識がとても気になる。でも多分、そんなことは分からないまま忘れていくのだろう。

2015年10月8日木曜日

「僕らの民主主義なんだぜ」を読んで

高橋源一郎著「僕らの民主主義なんだぜ」を読んだ。
2011年4月から2015年3月まで月1回書かれた朝日新聞の論壇時評をまとめた本だ。僕は新聞を読まなかったがとても面白かった。氏の論壇時評はたいてい、震災直後の混乱や特定秘密保護法の国会可決や集団的自衛権の時事ネタから始まり、時には外見が全く異なる問題に話題が移る。しかし、本のタイトル通り、ほとんどの文章が直接的にあるいは間接的に民主主義について書かれている。著者のすぐ近くの出来事から始まる文章は、たぶん気づいていないだけで民主主義は僕の生活のあらゆる場所にある、と気づかせてくれた。