2011年3月9日水曜日

花粉症について

スギの花粉症の僕は毎年苦しみながら春を耐えている。本来なら生物であれば越冬することは己の生死を賭けた問題であるわけだから、春の到来は成長繁殖の機会を再度得られることからも歓喜である。最近ではサルも花粉症だと言われているから、これは自然と人間の関係のみならず、自然と動物のバランスも崩れつつあるのだろう。そんな歪な春の迎え方を僕は16年もしている。小学校のころは花粉症は稀な病で、周りの人間に花粉症の説明をしてもあまり理解されず不毛であった。今では3人に1人くらいは花粉症らしく、説明せずとも苦しさまで伝わっている現状を少なからず僕は喜んでいる。
花粉症は花粉が飛んできて、目や鼻などの粘膜部に作用してアレルギー反応を起こすというのが簡単な説明だ。せっかくなのと、これからの対策につながるかもしれないので花粉症のメカニズムについて調べて書く。
せっかく分子生物学の学科を卒業したわけだし。

マスト細胞からヒスタミン
動物にはマスト細胞というものがある。これは肥満細胞とも呼ばれているが、太っているという意味での肥満とは関係ない。マスト細胞には膜の表面にIgEの高親和性Fc^ε受容体があり、ヒスタミンを含有する顆粒を含んでいる。

脱顆粒反応
Fc^ε受容体に結合したIgEが抗原で架橋。もしくは抗原を介さずに受容体どうしを架橋する。いずれかにより受容体どうしが凝集する。その反応により顆粒に貯蔵されていたヒスタミンなどが分泌される。ヒスタミンはヒスタミン受容体に作用され細胞内へ情報伝達する。この反応がアレルギー反応を起こす。
この反応を止めるのはアレルギー対策の一つである。ヒスタミン受容体はH1受容体、H2受容体、H3受容体の3つからなり、H1受容体とH2受容体の構造は共にGタンパク質共役型受容体であり、H3受容体の構造は未だ分かっていない。ヒスタミンがH1受容体に結合しないようにするH1遮断薬であるジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、メピラミン、トリプロリジン、メキタジン、テルフェナジンが抗ヒスタミン薬、つまり抗アレルギー薬として使われてきた。H2受容体、H3受容体は割愛。

ヒスタミン
次にヒスタミンとは何か。L-ヒスチジンが酵素ヒスチジンデカルボキシラーゼにより触媒されて脱炭酸反応を起こし、ヒスタミンが生成される。酵素ヒスチジンでカルボキラーぜはピルビン酸によって活性化する。
L-ヒスチジンは生体アミノ酸でタンパク質の構成成分である。さらにこれは必須アミノ酸と言って動物の体内では生成できないものである。

対策これは僕が勝手に考えたこと
酵素カルボキシラーゼを活性しないことによってヒスタミンの生成を抑えることはできるはずだ。つまりピルビン酸の濃度を下げる。それにクエン酸回路(TCA回路)をつまり、嫌気呼吸を活性させれば良い。ちなみにL-ヒスチジンは様々な段階を経てグルタミン酸に合成される。グルタミン酸はα-ケトグルタル酸を経てクエン酸回路を構成、ピルビン酸はオキサロ酢酸を経てクエン酸回路を構成している。嫌気呼吸の活性でヒスタミンの生成量と反応速度が下がる。嫌気呼吸の活性はビタミンcだったか。ビタミンcの摂取、運動も花粉症に効果があるかもしれない。

参考文献
「生化学辞典」東京化学同人
「ホートン生化学」東京化学同人
「ウーレット有機化学」化学同人
wikipedia

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