2010年4月11日日曜日

ミツバチの死の原因

昨年からミツバチが大量に死ぬ現象が起きていたけれど原因が見つかったらしい。
読売のニュースによると死んだミツバチからアカリンダニという害虫が見つかったということだ。アカリンダニがミツバチにウイルスを感染させる。そうするとミツバチは飛べなくなって死ぬ。アカリンダニは国外から検疫をすり抜けて入ってきた可能性が高いということである。
検疫というのは非常に難しい。小笠原諸島の母島に行ったときも「靴の底の泥を海に落としてから島に入ってください」と注意された。服についている植物の種子からも環境が激変する可能性がある。人間やモノの出入りがある以上、注意をしていても環境は変わる。小笠原諸島の南硫黄島に国の調査チームが行ったときは検疫がとても厳しかったらしい。南硫黄島は3キロ平方メートルの面積に900メートルの山があるという断崖絶壁の島で、難破した船の乗組員が少しの期間住んだだけで人間はほとんど入っていない。こういう島はとても稀で生物学的には貴重なのだ。調査チームは新品の物を真空パックして島に行った。帰りは排泄物はすべて持ち帰り、荷物に紛れ込んだ島の生物を外に出すとまずいので、荷物はすべて冷凍庫に入れるということだったらしい。かなり気をつけていたのだろうがネズミが一匹荷物と一緒に冷凍されていたという。それくらい環境を守るのは難しい。
閉鎖された環境で進化してきた生物たちは外の生物に対してだいたいの場合弱い。日本にあるタンポポも今では外来のセイヨウタンポポがほとんどだ。開放された環境で進化してきた生物は種間競争を勝ち残ってきた種であることが多い。それはつまり強い繁殖力、強い採餌力などが遺伝子上にあることでもある。ダーウィンの自然選択説はおおまかにそういうことである。

閉鎖している環境を維持するのはほぼ無理だし、そもそも日本は閉鎖している環境ではない。だから今回のアカリンダニの問題が解決したとしても、これから先もミツバチが大量に死ぬ可能性は大いにある。農業の多くがミツバチに依存している以上何らかの対策が必要だろうと思うけれど、何をすればいいのやら。

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